ラインは更に進化する

〜〜〜 これまで そして これから 〜〜〜

 釣具類の中でもっとも重要な役目を果たしている物、それは釣り糸とハリではないでしょうか。
 竿、リール、ウキも重要な釣具ですが、釣り糸とハリがなければ釣りは成り立たないからです。
 釣人と魚を結ぶ釣り糸、道糸でありハリスです。

 縄文時代から行われていた釣りですが、遺跡から出土したハリは、鹿など動物の骨から作られていますが、釣り糸はいまだ発掘されていません。
 麻などの植物繊維から作られたか、獣毛が利用されたものか、土器に縄の文様がありますので、既に縄が存在していたことが解りますし、麻などの植物繊維を細く長く縒り合せて作られていたであろうことは容易に想像できますが・・・・・。

 やがて、木綿などの植物性繊維や繭などの動物性繊維から糸が紡がれるようになり、この糸が衣服や釣り糸に加工されるようになりました。
 こうして作られた釣り糸でしたが、太くすれば魚が食い付かず、細くすれば切られて逃げられてしまう、強度不足は否めないものであったようです。

 この釣り糸に関する面白い話が残されています。
 江戸時代の大名や旗本が、深川で周りに金屏風を立て、緋毛氈を敷いて花魁(おいらん)を侍らせて、豪華な衣装で酒を飲みながら、螺鈿の蒔絵や象嵌を施した3〜5尺の釣竿に吉原の花魁の髪の毛を釣り糸にして、小さなタナゴ釣りに興じその覇を競ったことが書物に紹介されているそうです。(笑)

 さて、話を本題に戻します。
 時を経て、悠久の歴史を刻む隣国中国で、テグス蚕や山蚕の体内から絹糸腺を取り出して糸に加工した
「テグス」が開発され、釣り糸の強度は飛躍的に強くなりましたが、庶民には手が出せない高価な物であったようです。

 昭和に入り植物繊維のセルロースを酸で処理加工した
「人造テグス」が開発され、食糧確保の手段としての釣りブームが湧き上がるきっかけになりました。
 我が国でも昭和20年代前半までは釣り糸といえば
「人造テグス」でした。

 やがて第二次世界大戦が勃発し、より頑丈なロープやパラシュートなどを開発する過程で、日進月歩の化学技術を駆使して生まれたのがナイロンであり、今までの繊維よりも劣化が少なく、接ぎ目が無い一本糸(モノフィラメント)の特性を生かして、戦後間もなく釣り糸に転用され、天然の
「テグス」「人造テグス」と区別するため「合成テグス(ナイロンライン)」と呼ばれました。
 この
「合成テグス(ナイロンライン)」は、細く・強く・切れない画期的な釣り糸で、庶民にも手が届く価格であったことから、漁業や趣味としての釣りに画期的な革命をもたらし、この特性を活かしたスピニングリールの開発と併せて、より遠くへ!より深みへ!より大物へ!と釣り人を夢とロマンの領域に誘ないました。

 
「合成テグス(ナイロンライン)」の伸縮性は利点であり欠点でもあります。
魚から見えてしまうことから、昭和47年に、伸縮が小さく魚から見えにくく根ズレに強い
「フロロカーボンライン」が開発され、更に、ほとんど伸縮せず、より直線強度のある繊維として東洋紡とオランダのDSM社が共同で開発した「ダイニーマ」を何本も編み上げて、より細く、より強い「PEライン」が生まれ今日に至っています。
 編み方によって、強度、糸スベリなどの特性が異なるのも
「PEライン」の特徴ですが、ラインパッケージには表示されていません

 より遠くへ!より深みへ!より大物を!という職漁師や釣り人の欲求がある限り、これからもより細く、より丈夫な釣り糸の開発が続けられることでしょう。

 「ナイロンライン」「フロロカーボンライン」「PEライン」それぞれの特性を理解して、適材適所に用いることが私達のFishigライフを、より楽しく、ゲーム性豊かなものにしてくれると思います。




 
LB(ポンド)
標準直径
標準直径
号数(4)
号数(8)
3LB 1.4 0.8号 0.148 0.8号 0.148    
4LB 1.8 1号 0.165 1号 0.165    
6LB 2.7 1.5号 0.205 1.5号 0.205 0.6号  
8LB 3.6 2号 0.235 2号 0.235 0.8号  
10LB 4.5 2.5号 0.260 2.5号 0.260 1号 0.6号
12LB 5.4 3号 0.285 3号 0.285 1.2号 0.7号
16LB 6.8 4号 0.330 4号 0.330 1.6号 1号
20LB 9.1 5号 0.370 5号 0.370 2号 1.2号
24LB 11.3 6号 0.405 6号 0.405 2.4号 1.5号
28LB 12.7 7号 0.553 7号 0.553 2.8号 1.7号
32LB 14.5 8号 0.701 8号 0.701 3.2号 2号
[号表示]
 昭和34年から日本の強度表示は、1分(いっぷん)=10号、1厘(いちりん)=1号、1毛(いちもう)=0.1号に切替られましたが、これは釣り糸の直径が基準になっています。
 5尺の長さに切り揃えた同じ直径の天然テグス100本の重さが1匁(3.75g)、その1本の直径を1厘(0.165)としています。
 100本の重さが10匁(37.5g)の1本の直径は1分(いっぷん=1.65)ですが10号に、1厘の10分の1が1毛ですから1厘5毛なら1.5号です。

 欧米のLB(ポンド)は直線強度を表しており、「その負荷が掛かった時に切れなければならない」重さですが、日本の号はラインの直径ですので、同じLBでも直径が異なったり、同じ号でも直線強度が異なります。
 ですから、同じ号数のラインでもメーカーによってLB(直線強度)が微妙に異なりますし、同じLBのラインでもメーカーによって換算号数(直径)が微妙に異なります。
 ○号=○○LBというイコールフィッティングは無理な話で、「○号のラインは○○LBに近いがやや弱い」「○○LBのラインは○号に近いがやや強い」と考えるのが妥当で、例えば5号のナイロン系ラインは20LBに限りなく近いが、20LBよりやや弱い」ということです。
 購入する時は、ラインパッケージのスペックを確かめる習慣をつけたいものです。

[ラインの直径・強度・PEの号表示]
 ラインの直径・強度は、メーカーにより多少の差異があり一律ではなく、また、PEの号表示も多少の差がありますので参考程度としてください。
 PEは、新素材のダイニーマを編み上げて作られますが、編む細糸の数や編み方によって、強度やすべりなどの特性が変わります。
 4本編みでナイロン糸の2.5から3倍、8本編みでは5から6倍もの強度があります。
 エギング用には細くて強い8本編みが使われることが多く、船釣りではさらに強い10本編みが使われています。

[IGFA基準]
 IGFA(国際ゲームフイッシュ協会)は、ラインクラスを11に分け、そのクラスごとにいかに重い魚を釣り上げたかを公認していますので、使用したラインがこのLBより強ければ記録として認められないルールになっています。
1LBは約0.4536圓任垢、IGFAのラインクラスのメートル法表示(下表のkg表示)はやや重めに設定されています。


IGFAルールのラインクラス
ラインクラス 2lb 4lb 6lb 8lb 12lb 16lb 20lb 30lb 50lb 80lb 130lb
kg表示(IGFA) 10 15 24 37 60
kg(標準換算) 0.9 1.8 2.7 3.6 5.4 6.8 9.1 13.6 22.7 36.3 59.0




リールのラインキャパシティ


品  番 8000 6000 5000 4000 3000
ナイロン 6-220,8-160 5-180,6-150 4-190,5-150 3-200,4-150 2-220,3-150
 P E 4-300,5-230 3-280,4-210 2.5-210,3-190 2-260,3-150 1.5-210,2-180


品  番 4500 4000 3500 3000 2500
ナイロン 6-200,8-150 5-200,6-150 4-200,5-150 3-200,4-150 2-200,3-150
 P E 4-250,5-170 3-300,4-220 2.5-250,3-200 3-160,2-250 1.5-200,2-170

シマノ・ダイワとも標準的なモデルの巻き糸量から引用しています。
機種ごとの巻き糸量は両社のホームページでご確認ください。
リンクバナーをクリックするとホームページが開けます。



種 類
比重
吸水性
伸縮性
紫外線
沈降速度
対磨耗性
結束強度劣化
ナイロン
1.14
弱い
遅い
弱い
多少有
フロロカーボン
1.73
多少有
やや強い
速い
強い
PE
0.97
強い
沈降しない
弱い
多少有
PE サスペンド
1.12〜1.18
強い
遅い
弱い
多少有


種 類
価格
糸ふけ
硬軟
水中視認性
絡み
巻き癖
その他
ナイロン
安い
やや大
やや多い
水中で戻る
フロロカーボン
やや高い
小さい
硬い
多少有
少ない
 
PE
高い
大きい
強軟
多い
ほとんど無
 
PE サスペンド
高い
やや大
強軟
多い
ほとんど無
 


種 類
用 途
特   徴
ナイロン 各種道糸、ハリス 両軸リールでの遠投カゴ釣りに最適、また、安いのでトラブルで高切れの多い初心者にお奨め
フロロカーボン 船釣ハリス、磯釣り道糸・ハリス、ルアー先糸、ラインシステム クセがあるので、初心者の使う道糸としてはお奨めできない。
エギングのリーダーに最適。
PE 船釣道糸、エギング道糸、カゴ釣り道糸、キス釣り道糸 両軸リールでの遠投カゴ釣りには不適、糸フケが出やすいのでスピニングでのカゴ釣りでも、混雑時はナイロン5号の予備リールかPEサスペンドタイプの替スプールにチェンジ
PE サスペンド 磯釣り 両軸リールでの遠投カゴ釣りには不適、比重が海水より重いので糸フケは少ない




リンク先
解  説
魚とあそぼ!海釣り道場の「タックル研究室」
ラインメーカー クレハの「強いノットはこれだ!」
「ラインの結び方」&「ハリとハリスの結び方」
ラインメーカー ユニチカの「お奨めノット」
YGKよつあみ 動画で紹介しています。
ラインシステム LINESYSTEM 動画で紹介しています。
ダイワ ダイワ 画像で紹介しています。




     





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